愛を愛して
「ちょっとトイレ行って来るね」
「うん」
席を立ち、トイレに向かう。
廊下を出ると、恵を含めたギャルグループが
私を呼び止めた。
「なんであんな子と一緒にいるの?」
聞かれると思った。
「あんな子なんていわないでよ。いい子だよ?」
「朱里が正義感強いのは知ってるけどさ・・・・・・朱里とられたみたいで、やだ」
恵が不機嫌そうに言う。
「私の一番は、恵だよ」
「うー・・・・・・」
人に必要とされることは、誰でも嬉しいと思う。
だから私も、恵の言葉が嬉しかった。