愛を愛して
―――つもりだったのに。
「朱里!!朱里ちゃん!!」
ドアを勢いよく開けて入ってくる母に、私は驚いて目を見開いた。
「・・・どうしたのママ」
「どうしてパパは何もわかってくれないの私が全部悪いって言うの?」
・・・・・・始まった。
こうなってしまったら、母はもう止まらない。
「ママは悪くないよ・・・」
「嘘よじゃあなんでそんな目でみるの・・・どうして誰も私を助けてくれないの・・・あんな男と結婚するんじゃなかった!!」
勢いよく、私に向かって手を振り上げた。
叩かれる。
これは八つ当たりだ。いつもの事。