愛を愛して
『2-D』と書かれた教室に恵と入ると、
教室内で談笑してた女子達が私たちに駆け寄ってくる。
「朱里~!同じクラスで嬉しいよ~!」
「このクラスちょー楽しくなるじゃん!」
そんな言葉に、私はにっこりと微笑みながら返した。
「私も嬉しいよ!」
黒板に貼ってある座席表を見て
自分の席に向かおうとした、その時。
「きゃあっ!!」
クラス中に響いたその声に驚いて、後ろを振り向くと・・・
―つややかな黒髪
―透けるように白い肌
―ぽってりとした赤い唇
まるで白雪姫のような子が、転んでいた。
正しくは、足を引っ掛けられて転んでいた。