Assassins
だが、その行為が仇になった。

夢中で伊庭を甚振る景子。

その腹に。

「え?」

伊庭の刀が貫通する。

景子にとって至近距離という事は、伊庭にとっても至近距離なのだ。

刺突を命中させるなど、造作もない事。

「し、しくじったわ…苛々するったら…」

二歩三歩とよろめきながら、景子は距離をとる。

尤も、もう遅い。

完全に致命傷だ。

伊庭の刀は、完全に景子を串刺しにしている。

「肩を刺された痛みの中で…まだ心を折られずに…反撃する意志があったなんて…」

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