五月雨・序
「遥!」
「あ、おはよ~。」
久しぶりに紗江達三人がアタシに向って満面の笑みで走り寄ってくる。キラキラしてるな、皆。それぞれ光ってる。
「最近宮下とべったりだから、近づけないんだよね~。もう、ラブラブすぎ!」
「…………やめてよ~、からかわないでっ。もう、ハズ!!」
皆を騙して、皆を傷付けて。
アタシに、幸せになる資格なんてある?
アタシに、優しくされる資格なんてある?
馬鹿ね、何考えてるのよ、馬鹿。
「あ、ダイエットした?痩せてる~。」
「宮下のためかよっ、エロい~!!」
「想像で話すなっ!」
圭吾からの突っ込みに笑いが起こる。
こんなに、笑って良いの?
こんなに、涙を流さないまま。
「…………。」