五月雨・序
「眼、やばいぞ。」
「分かってる!良いの。」
「…………そうだな。」
幸せな時が流れていた。
幸せな愛に満ちていた。
恋は、愛に変わる。
それは、案外容易かった。
それは、辿り着くまでに時間があった。
でも、それが逆に幸せの素で。
「ありがとう。」
「おお。」
「驚きだね。」
「ああ。」
どうしたの?
そんなに赤くなって。
心の中では悪戯に。
意地悪な自分をコントロールできた。
ねえ、圭吾。
ありがとう。