五月雨・序
「…………遥。」
「こっち見たらばれるでしょっ。」
小声で話す日々。
また、帰ってきた大切な毎日。
もう、あの時のことはお互い口に出さない。
でもね、聞いちゃった。
友香がもう好きじゃないんだって?
ねえ、嘘吐いてるでしょ?高橋たちに。
だって見てたら分かる。
時々友香が憎いほど。
「今日何、部活。」
「あ……。」
この前、部活に行きそびれた。
ヤバイ、何をするか分からない。
「……ゴメン、この前サボった。」
「あ、珍しい。」
「でも、いきなりなんで?」
アイツは、少し困った顔をしていた。
何?何でそんな顔するの?
「……やめるんだ、部活。」
アイツはいつもいきなりで、
そんで失敗して。
ねえ、そんな事、言わないでよ……。