五月雨・序
「メンバー、高橋と柳、俺ね。」
「アタシ達は、中山と館守、原沢とアタシ!!苗字で言わないとわかんないでしょ?」
「あ、うん。悪い。」
宗助はアタシより少しちっちゃい。
中二だけど、まだ宗助はアタシを越さない。
でも確実に差は縮んでる。
それが少し嬉しいのは、ちょっとお母さん気分なせいかもしれない。
「ねえ、いい加減携帯買って貰ってよ。メールとか出来ないじゃん!」
「う~ん、もうちょっとでバイト出来るじゃん?それまで待ってよ。」
「二年間あるし!!」
いつもより長めの話。今日は塾が無いから部活に行くらしい。
アタシと宗助は同じ部活。一応卓球部の女子キャプテン候補!
それが自慢だけど、宗助は取られちゃったんだって。
「ねえ、今日一年生走らせる?」
「う~ん、部長に聞いてみようか?」
「先週ぐらいから来てないの。だから相談したくてさ~……。」
「え、マジ?」
付き合ってるとは言われない。
他の人との噂は絶えないけど、宗助との噂は聞いた事ないなあ。
そっちのほうが、モテモテの子と噂されるよりずっと嬉しい。
「ねえ、キャプテンダメなら部長になりなよ?」
「無理。第一俺出てないからなれないし。」
「そっか……。」
キャプテン・部長カップルなんてカッコいいのにな……。
何故、アタシが宗助と同じ部活なのか。
アタシが宗助が好きになってから二ヶ月目。
部活を選ぶ期間になって、それとなく話しかけてみた。
『何処はいるの?』
なんて。凄くドキドキした。
あ、ストーカーじゃないから!!そんなんじゃない。
元々、卓球やってたんだし。
ちゃんとキャプテンにだってなれるのは、宗助が居なくても頑張ってるから!!
「あ、早く行かなきゃ。着がえる時間入れたらギリだよ。」
「あ、本当だ。」
ボケーっと上を見る宗助の顔は猫みたいで、つい撫でたくなってしまう。
和むっていうか、なんとなくそう感じる。
「行こうか?」
「そうだね。」
あの体育館はアタシ達の繋がり。そして絆。
絶対無くならない、アタシ達の宝物……。
君の立ち姿はなんとなく頼りなさげだけど。
アタシは確かにその君が好きだった。
この胸が、そう言っている―――――……。
「アタシ達は、中山と館守、原沢とアタシ!!苗字で言わないとわかんないでしょ?」
「あ、うん。悪い。」
宗助はアタシより少しちっちゃい。
中二だけど、まだ宗助はアタシを越さない。
でも確実に差は縮んでる。
それが少し嬉しいのは、ちょっとお母さん気分なせいかもしれない。
「ねえ、いい加減携帯買って貰ってよ。メールとか出来ないじゃん!」
「う~ん、もうちょっとでバイト出来るじゃん?それまで待ってよ。」
「二年間あるし!!」
いつもより長めの話。今日は塾が無いから部活に行くらしい。
アタシと宗助は同じ部活。一応卓球部の女子キャプテン候補!
それが自慢だけど、宗助は取られちゃったんだって。
「ねえ、今日一年生走らせる?」
「う~ん、部長に聞いてみようか?」
「先週ぐらいから来てないの。だから相談したくてさ~……。」
「え、マジ?」
付き合ってるとは言われない。
他の人との噂は絶えないけど、宗助との噂は聞いた事ないなあ。
そっちのほうが、モテモテの子と噂されるよりずっと嬉しい。
「ねえ、キャプテンダメなら部長になりなよ?」
「無理。第一俺出てないからなれないし。」
「そっか……。」
キャプテン・部長カップルなんてカッコいいのにな……。
何故、アタシが宗助と同じ部活なのか。
アタシが宗助が好きになってから二ヶ月目。
部活を選ぶ期間になって、それとなく話しかけてみた。
『何処はいるの?』
なんて。凄くドキドキした。
あ、ストーカーじゃないから!!そんなんじゃない。
元々、卓球やってたんだし。
ちゃんとキャプテンにだってなれるのは、宗助が居なくても頑張ってるから!!
「あ、早く行かなきゃ。着がえる時間入れたらギリだよ。」
「あ、本当だ。」
ボケーっと上を見る宗助の顔は猫みたいで、つい撫でたくなってしまう。
和むっていうか、なんとなくそう感じる。
「行こうか?」
「そうだね。」
あの体育館はアタシ達の繋がり。そして絆。
絶対無くならない、アタシ達の宝物……。
君の立ち姿はなんとなく頼りなさげだけど。
アタシは確かにその君が好きだった。
この胸が、そう言っている―――――……。