五月雨・序

ねえ、好きになるって、駄目なことかな?




“キーンコーンカーンコーン。”

また普通の生活が戻ってくる。
いや、戻ってきた。
そして待ち構えていたテストに頭を悩ませる。

王冠のストラップは、自分の分は携帯に。
そして宗助からの反応は、無い。
だからもう、前に宗助が言ってた吹っ切れたってやつになったんだと思った。
まだ、確かに未練たらたらだけど。

「……美玖?」
「お願い!相談があるの。」
「??」
「アタシ高橋の事、好きかも……。」

驚きの毎日が、始まるのかな?

「嘘!!?」
「マジ……、どうしよう、友香の好きな人なのに。」
「あ…………。」

友香絡みの話は、これで二回目だ。
何だか複雑になりそうな予感。
高橋は何もしなくたってモテてるし。
何処がカッコいいのかは、よく知らない。

「……言わないでね?あと、高橋と一緒にいるのは良いんだけど、好きになったら絶交って事で、宜しく!」
「は?」

驚いた。美玖は確かに奔放な性格だけど、ここまでとは……。
唖然として何も言えず、OKということになったらしい。



好きになっちゃいけない人。


そんなの、いったいいつ決まったの?

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