五月雨・序

「…………。」

テストの出来はまあまあ。
この前と同じぐらいかな……。
学年120人中20位以内は普通。
親の口癖。
それに従うアタシも、どうだろう。

「…………。」

遠い空を見つめて、雲を見る。
ふとまたストラップのことを思い出す。
宗助は、あれをどうしたんだろう。
思いが伝わりきらなかったんなら、
もうそれでいいと思った。
それも、アタシの恋かなって。

「…………ドロドロしてるなぁ。」

アタシ達の相関図はどんどんグチャグチャしてよく分からない。
でも、他のクラスよりはマシか。
イジメの耐えないほかのクラス。
アタシも、最初あった頃には受けたけど。
女子が無視する分、男子に助けられた。
それが柳だったはずなのに、
今はちょっと話し辛い。
どうして、こんなに変わったんだろう。

『男がそんなもん、持ってられっかよ。』

高橋に貰ったストラップはまだ家にある。
行き場をなくして困ってる。
告白はされないから(モテないし)
持ってても仕方ないのに。

“♪♪♪”

そんな時。
アタシに一件のメールが来た。

< 37 / 122 >

この作品をシェア

pagetop