五月雨・序
後ろの荷台
「…………。」
君からのメールは来ない。
身体に穴が開いて風が通っている。
馬鹿みたいだった、アタシ。
馬鹿みたいだった、浮かれていたから。
“ガタタン。”
お母さんが大きな荷物を運んでいる。
何だか手伝えオーラたっぷりで。
「…………何。」
「バーベキュー、お父さん今日遅くにしか帰ってこないから。今日は仕事休みでおばあちゃんも居るよ~。」
「え。」
「気持ちは分かるけど、そんな声出さないの。おばあちゃんだって必死なのかもしれないでしょ?」
「…………。」
手伝う気が、さらに失せた。
おばあちゃんが、嫌いだった。
一緒に暮らしてる、おばあちゃん。
大っ嫌い。
本当に、大っ嫌い。