五月雨・序
「遥、来たわよ~!!」
確かに、最初は普通だった。
おばあちゃんは時々会う人。
ニコニコしてればよかった。
でも…………
「アンタは何も出来やしないのね。従兄弟のハル君はアンタよりずっと素直で優しい子なのに…………!」
「馬鹿が努力したって何も変わりゃしないのよ!ったく間抜け面見せて!」
「アンタといたら不幸になる。ノイローゼになっても知らないんだからね!!」
「アタシは完璧なの。そんなアタシに逆らうなんて!!馬鹿じゃないの!?」
日々浴びせられる罵声。
ノイローゼになったのは、アタシだった。
悲しみと、ストレスに耐え切れなかった。
吐いて、吐いて、恨んで過ごした。
でも、アタシの涙は届かなかった。
涙だって、出なかった。
もう、やめて。
出て行ってよ。
そう、何度も呟いたんだよ?
誰か助けてって、泣いたんだよ?
それなのに、辛いよ。