五月雨・序
「……付き合おう?俺達。」
「え…………。」
手を繋いでおいて、付き合わないのは、やっぱりおかしいんだよね……?でも、宗助と別れたばっかりなのに勘違いされないかな?それは、ちょっと不安だよ……。
「本当に、色んなことはちょっとずつで良いから、俺が好き。谷口のこと。」
「でも、アタシ本当は……。宗助と、この前まで付き合ってたの。さっき、別れたばっかりで……。」
「え、村山?村山宗助のこと?」
「うん……。」
脈が伝わってくる。
ごつごつした手が鼓動を激しくさせる。
綺麗な瞳が心を吸い込んでいく。
「それでも、俺は気にしないし、他の奴等に何も言わせないから……!俺が守るからさ……?お願い。」
アタシの、決断しだいなんだ……。