五月雨・序
「分かった。約束する。」
「うん、良かった。」
繋いだ手でドキドキしてる鼓動が聞こえてしまいそうで、さらに鼓動が強くなった。
顔は、もしかしたら赤いかもしれない。
「…………好きなのは、変わらないし。」
「…………うん。」
「遥のこと、絶対守るから。」
「うん。」
温かい体温が伝わるよ、宮下。
凄く、安心するけど、罪悪感は膨らむ。
「宮下、どうしてアタシなの?」
「…………秘密。」
「え、どうして?」
「照れるだろ?そういうの。」
君の顔が赤くなってるのが、アタシにとって、どれだけ嬉しかったか分かるかな?
凄く幸せな時間が、一瞬生まれたよ。
綺麗な、この時を、思い出す日は近かった。
「はは、照れてるんだ。」
「うっせ。」