あなたと月を見られたら。
「ちょっと!!」
あまりに突飛な龍聖の行動に抗議の声を上げると
「嫌がられると燃えるんだよねぇ、俺。」
龍聖はさらに強い力で私のカラダを抱きしめる。密着した龍聖のカラダからは、ほのかなコーヒーの香りが漂ってきた。
「久しぶりのこの感触…ヤバいね。」
クスクス笑いながら絡められた指先が熱い。抱きしめられた腕が熱い。
背中に感じる彼の胸板が、彼の香りが、彼の感触が、五感で感じる全てが熱い。
どうしよう。
生々しい彼の熱さで焦げそうだ。
胸だけじゃなく、頭の奥が焦げてショートしてしまいそう。理性じゃ勝てない強い欲望がムクムクと頭をもたげて、このまま本能に流されてしまいそうになる。
「好きだよ、美月。このまま大人しく俺のものになればいいのに。」
耳元でそう囁いて、まるで愛撫のように手の中でいやらしくうごめく龍聖の指に耐えきれなくて
「やめ…て、龍聖…っ!」
理性を総動員させて彼を拒否するけれど
「ヤダ、やめない。」
彼はキッパリとそれを拒否して、さらに体を密着させる。そして首すじに唇を近づけると
「美月はココが弱いんだよね?」
「…やぁっ!」
私の首すじにチュッとキスして、ペロリと首すじを舐めあげる。
「ココを攻めるとその気はなくても我慢できなくなってきて…さいごには俺を欲しがってくれてたね。」
そう言って私の耳をカプリと甘噛みする。
抗えない快感に耐えきれなくてピクリと身を跳ねさせると
「カワイイ、美月。」
そう言って龍聖は絡めていた右手を回してギュっと後ろから抱きしめる。両手で後ろから抱きしめられる形になった私の耳元で
「ねぇ、美月。三ヶ月間だけでいいから、俺と付き合ってよ。」
「…え……??」
「その間に判断してよ。俺が…本当に愛がない男なのかどうか。」
悪魔はそう囁いた。