あなたと月を見られたら。


『美月…キツイ…。』

『あ、やぁっ!ダメだよ、龍聖ぇっ!』


昨日の夜、私は龍聖と肌を重ねてしまった。それも…龍聖の家で。


その原因は2人で空っぽにしてしまったワインのせいなのか、懐かしさだったのか、はたまた人肌恋しさだったのか。未だによくわからないんだけれど、首スジにキスをされたら妙なスイッチが入ってしまって…そのまま流されるように家にお持ち帰りされてしまい……大人な行為にふけってしまったのだ。



2年ぶりのセックス、2年ぶりのキス、何もかもが久しぶりの愛の営みに戸惑って


「あ、あの、、ゴメンね?」

「何?急に。」

「あの…私、龍聖のこと楽しませてあげられるほど経験ないから…。」


そう謝ると龍聖は一瞬とてもびっくりした顔をしていたけれど


「バカだね、美月。美月はそんなこと気にしなくていいんだよ。」

「え??」

「俺は抱き合うだけで今日は満足。」


そう言っておデコに優しくキスをしてくれたんだ。



二年前の龍聖とのセックスはカラダはイクけど心がイかない、どこか寂しいスポーツ的なセックスだった。


だけど……今回の龍聖は優しかった。繋がってる間ずっと手を握ってくれたり、頭を撫でてくれたり、抱きしめてくれたり、体がつらくないか声をかけてくれたり、、、ちゃんと私のことを労ってくれているのがよくわかった。


幸せだった。
あぁ、私はずっとこんな風に抱かれたかったんだ、と素直ににそう思えた。


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