あなたと月を見られたら。
ふぅーーーん。やっぱり昔はそういうところに住んでいたのか。そのまんまじゃん。顔良し、センス良し、尚且つ高収入のハイスペック男にはお似合いですよね、そういうマンション。
「ま、私はそのマンションの存在すら知りませんでしたけど?」
憎しみと怒りを込めてサラッと爆弾を投げつけると
「俺だって知らないよ?」
「は?」
「美月がどんなところに住んでるのか、俺も知らなかったけど?」
最低最悪な元カレはそんなことを言いはじめる。
た、確かにそれを言われるとイタイけど……!!
「だって、そんなこと興味すらなかったでしょ?龍聖一度も『ウチに行きたい』だなんて言ったことないじゃない!」
どーーせ、私は存在のウザい性欲処理の道具だったんだから。
龍聖が青山で言い放った、あの言葉を思い出して一人でイライラしてると
「それを言うなら美月も俺の家に来たい、だなんて一回も言ったことないでしょ?」
「うっ…。」
「これに関してはお互い様なんじゃない?聞くタイミングと行くタイミングを失ってただけで、俺はもう少し時期が来たら、美月を部屋に呼ぼうと思ったよ??」
龍聖は私が投げたよりもはるかに殺傷力のある爆弾を投げ返してきた。