あなたと月を見られたら。
出会い?
私と龍聖の??
なんでそんなの気になるの??
意味がわからず首をかしげると
「だってさー。牧村さんと龍聖って接点どこにもなさそうじゃん。龍聖が今まで付き合ってたオンナとキャラも毛色も違うし、どこでどうなってこうなったのかなー、と思って。」
ニヤニヤしながら結構グサッとくる言葉を吐き出す、デビル麻生。
む、むかつく!!
《今まで付き合ってたオンナとキャラも毛色も違う。》
はいはい、そうでしょうよ!
二年前、ホテルで二人でディナー食べてる時に出くわしたモデルみたいに綺麗な女の子に、フフッとバカにしたように笑われて
『龍聖ってオンナの趣味が変わったのね。』
そう言われた時もありましたよ。
服にも自分にもたっぷりお金をかけて、頭からつま先まで磨き上げられていた女の子。同性の私から見てもため息を吐くぐらい綺麗だったあの女の人を思い出して、ガックリ肩を落とすと
「アハハ!そこは自覚あるんだ!!」
デビル麻生は愉快そうにケラケラ笑う。
もう!言っていいコトと悪いコトがあるでしょうよ!
「自覚してますよ!私みたいな平々凡々な一般人は龍聖の元カノには私ぐらいしかいない、ってコトぐらいっ!」
あの時は元カノのコトはおろか龍聖のオンナの好みは、あまりに怖すぎて何一つ聞けなかったけど…。なんとなく想像できるもん。
多分、龍聖はモデルみたいに綺麗な女の子とばっかり付き合ってたんだと思う。外資系はモテるって聞いた時あるし、あのルックスだもん。オンナの人が放っておかないはずがない。
ブランドもののスーツに身を包んで、会社からかかってきた電話には全て英語で対応してた当時の龍聖を思い出してハァーとさらに深くため息を吐くと
「ねぇねぇ、ショック受けるのは後でいいからさ?二人の馴れ初めを教えてよ。」
デビル麻生はさらに傷口をえぐってくる。