誘惑したくなる上司の条件
「それより、迷惑かけて、悪かったな…」
「迷惑なんてっ…」
多少です。
「楽しかったですよ」
多少は…。
「休みも、とうとう今日で終わりか…」
「そーいえば、あっという間でしたね」
「どうする?」
「明日は仕事だし、そりゃ、帰りますよ」
「だよな…」
買ってもらった服を畳みながら紙袋につめていく。
「なあ、…次の土日…どっちか空けれるか?」
「…別にまだ予定はないですけど…
持ち帰りの仕事の手伝いだけは絶対に拒否です!」
「そうじゃなくて…
盆休み、ちゃんと出かけられなかったし…
迷惑かけた詫びに、デート…してくれないか?」
えっ?
「デート…?」
いままで2人ででかけたりしたけど
デートと名付けられたのは初めてだった。
「デートコースは果穂の好きなようにしていいから」
「は…、はい。
デート…
わかりました」