誘惑したくなる上司の条件
「とうとう血迷ったか?」
課長がそんな事を言うのも無理はないです…。
そう、私達は今日の初デートに
御百度参りに来たのです…。
すごーい、嫌な視線を横から感じます。
びんびん感じます。
「いえ、ほんの冗談ですよ…?」
「冗談の割りに実際、来たじゃないか…」
ええ、来ちゃいました。
「そんなに叶いたい願い事があるのか?」
「ある。
あります。」
「どうせ、彼氏が欲しいとか、結婚したいとかだろ?」
似たようなものですが…
今回はちょっとレベルの高い願い事がしたいんです。
「言えないこと?」
「言ったら叶わないですから。」
「やっぱ、やる気満々だろ」
「はい。…いや、いいえ?」
「もういい、分かった。俺が果穂に決めさせたんだもんな。
まさかこんな、展開になるとは、思いもしなかったけどな…」
肩を落とす課長の背中をポンッと、叩く。
「さ、決めたからにはやりましょう!」
こうして
2人の初デートは幕を開けた。