誘惑したくなる上司の条件
其の九、上司でも
秋風が肌に冷たい季節。
看病は成功したはずなのに
その後の2人はやっぱりいつも通りだったんだけど
それを揺るがす
連絡がきていた。
「おはよう果穂、今日はなんだか元気がないな?」
課長の微笑みさえ
今の私を癒すことはできない。
…
…
「「「えっ‼⁇‼見合いっ⁇⁇‼‼‼」」」
その場にいた全員の声がオフィスに響いた。
「はい…
昨日お母さんから電話があって…」
それは夕方届いた一枚の写真と共に恐ろしい電話が鳴った。
写真に写っていたのは実家近所の畳屋の長男のたろちゃん。
「ちょっとお母さん‼なんで私がたろちゃんと御見合いしなきゃいけないのよ‼」
「あんた、このチャンスを逃したら二度と結婚できないわよ‼」
言い切るなっ‼
「絶対!絶対!絶対に嫌っ!」
「なに言ってるのよ⁉
たろちゃんとは昔から仲が良かったじゃない‼」
仲が良いのと結婚は別だ‼