誘惑したくなる上司の条件
「お母さんを説得することができなくて…来週末に御見合いすることになっちゃったんです。」
ざわつくオフィスの中で
課長だけは冷静だった。
「結婚したかったんだろ?良い話しじゃないか?」
「か…ちょう?」
課長は私のお見合いに賛成なんですか?
私は…
「でも、果穂は見合いしたくないんだろ?」
川嶋が言った。
「課長、姐さんが可哀想です。なんとかしてあげて下さいよ…」
後輩達も口々に言い始めた。
「あのな…常識で考えろよ。俺はあくまで職場の上司だ。
果穂のプライベートまではどうしようもできない。」
「そんな…
課長はやっぱり…
私のことなんて…」
「ん?何か言ったか?」
「…なんでもありません」
課長はやっぱり、私のことなんかこれっぽっちも女として意識なんかしてなかったんだ…。