誘惑したくなる上司の条件


「あの…店内入口にお客様がみえていますが…」

お客様?

襖から顔をだした私の目に飛び込んできたのは


鬼の形相をした課長で

ズカズカ勢いよく来たかと思ったら、私の手を捕まえた。


「帰るぞ」

「か、課長?」

たろちゃんと目が合った課長。

「申し訳ないけど、こいつは渡せない」

そう言って、私の手を引っ張って歩き出す。



去り際、たろちゃんと目があって、私がにこにこ笑顔で手を降ると

たろちゃんもほんわか笑顔で手を振り替えした。



課長の車に押し込められて

数分後…




まだ、鬼のような形相をしている課長に恐る恐る聞いてみた。


「どうして…来てくれたんですか?」

「脅されたんだよっ‼」


お、

脅された!?



「へっ?…誰に?」

「オフィスのみんなに‼果穂を助けに行かなきゃストライキするぞ!って」

みんな…


「仲間思いの仲間に囲まれて、私…幸せです…。」


じんとしている私の横で

「全くだ‼」

とキレてる課長。



愛する恋人を奪い返しにくるような…

思い返せばドラマの1シーンのようだった。



課長、脅されたからってなかなかやりますね!


そんな課長を私は…


惚れなおしてしまいました!


「恥ずかしっ‼」

「何がだよ…」




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