誘惑したくなる上司の条件
カタカタカタカタ…
静かなオフィスにキーボードを打ち込む音だけ響く。
課長も内勤で手が一杯な日はこんな静かな一日を過ごしているのだろうか…
「可哀想だなー…」
「誰が可哀想なんだ?」
「課長がですよ…」
ん?
って、あれ?
課長がホームセンターの袋をぶら下げて会社に戻って来てたんですか⁈
「課長…私に内勤押し付けて、自分は呑気に買い物ですかー?」
「んなわけないだろ、お前は口を動かさないで手を動かせ」
「はーい。」
キーボードを打ち込みながら、あっちこっち動き回る課長が雑用さんみたいで面白いんですけど…?
空いてるPCを綺麗にしたり、ファイルを整理したり、たまに電卓叩いたり…。
たまに、外勤からの電話を受け取ったり。
課長の仕事って面倒臭そー…。
きょろきょろ、課長を目で追っていると、バチッと目が合い、慌ててPC画面に目をやる。
それでまた、きょろきょろ、課長を目で追っているとバチッと目が合う。
繰り返し。