誘惑したくなる上司の条件


5回も目が合った頃、肩を落とした課長がスタスタ歩いて来て私の横でピタリと止まる。


ヤバっ怒られるパターンじゃない?

慌ててキーボードを打ち込む。

「さっきから何?」

「なんでもないです。」

「用があるなら言いなさい。見られてると気になる。」


「んー…

社会の窓が開いてるなーと」

「嘘っ?」

嘘です。

理由なく見ていました。

「うわっ、本当だ!早く教えろよ!」

マジかよ…。


「課長ー、クーラーが効いてなくて熱いです。」

「何言ってるんだ…外勤の奴らの事を思えば少しくらい我慢しろ。

それに扇風機はついてるぞ?」

扇風機?

オフィスを見渡すと

窓際の隅で、必死に首を振る扇風機さん。


マジで?オフィスに扇風機あるの知らなかった。


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