誘惑したくなる上司の条件
「課長…記載ミスを見つけられないダメな私がいるんですが…」
みんなの足音が遠ざかったのを確認するように、時間を置いた課長が
「悪い、嘘だ」と、つらっと言った。
えっ?
嘘?
びっくりー…って…
ひどいよね?
「お前、明日からの連休ちゃんと予定はいれずにいるんだよな?」
ちゃんとって
どーゆーこと?
キョトンとした私に、やっぱり呆れた様子の課長。
「盆にキャンプに連れていけと言ったのはどこのどいつだ?」
ああ、確か酔っ払いながら課長にそんなことを、言ったんだっけ?
記憶にないけど。
「そうですよね!約束しましたよね!
でもなんで、わざわざ私だけ残してその話し?」
「…最初から2人で行く予定だったんじゃないのか?」
あっ、そうなの?知らなかった。
だって記憶にないんだもん。