死んだ先にあるもの



「牧田あんずの全ての願いを叶え、この世にある未練は全てなくなった


じゃあ、逝くぞ。あんず」




そう言って、手を握ってくれた





そして、私たちは空高く上がっていった







雲を突き抜けると私の身体はキラキラと光始めた





どうしたんだろ

綺麗だけど、なんか変な気持ち





「そろそろだな」


「そろそろってどういうことですか?」





「そろそろあんずも成仏する頃だって意味」



そういうことか

なんか、死んでからロマンチックなことが多いなあ





「最期まで一緒にいてくれるんですよね?」



「あぁ。もちろんだ

あんずが成仏しきるまでそばにいる」






そこから私は天高く上がるにつれて足の方から消えだした



「足が消えてきたな

あと20分もすれば成仏しきる」





意外と早いなあ

寂しくなる





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