死んだ先にあるもの
「じゃあ、最期になりますけど
今までありがとうございました
なんか、色々と迷惑をかけましたが、なんか楽しかったです」
「あぁ。俺も楽しかったよ
あんずみたいな心が綺麗な死人は初めてだったしな」
私の身体もほどんど消えて、残るのは田嶋先生と繋がっている手と顔だけとなった
「もうそろそろだな
じゃーな、あっちで気楽に過ごせ」
「さよなら。
あ、最後に一つ。
田嶋先生になりきるなら口調も似せてくださいよ
田嶋先生はもう少し優しい口調です
さよなら。親切な死に神さん」
それだけ言うとあんずは綺麗な光となって天に上がっていった