砂漠の賢者 The Best BondS-3
ただでさえ痛い頭に頭痛の種が増えたとばかりに嘆息を漏らす。
「しかたない。迎えに行こっ――」
ぱん。
エナの言葉を断ち切る乾いた音が周囲の空気を震わせた。
「!?」
何が起こったのか一瞬理解出来なかった。
ただ理解よりも先に足から崩れ落ちる。
ゼルの驚愕に満ちた表情が目に入った。
揺らぐ視界の中でハセイゼンが銃をこちらに向けているのがわかった。
その銃口からは硝煙が薄く立ち上る。
「エナっ!」
ゼルの緊迫した声に、答えなければ、と思った。
だが、その声に答えを許さぬ、灼熱の痛み。
業火に焼き尽くされていく、そんな熱さを伴って。
「く、ぅぅっ!!」
撃たれた左の太腿を押さえてのた打ち回る。
「てんめェ……!」
ゼルが怒りを顕わに剣を抜こうとしたのを、ハセイゼンの野太い声が制する。
「動くな! 動けばその小娘が死ぬぞ!」
銃口は未だにエナに向けられている。
ゼルが奥歯をぎり、と鳴らした。
……――まだ危機は、脱しない。
「しかたない。迎えに行こっ――」
ぱん。
エナの言葉を断ち切る乾いた音が周囲の空気を震わせた。
「!?」
何が起こったのか一瞬理解出来なかった。
ただ理解よりも先に足から崩れ落ちる。
ゼルの驚愕に満ちた表情が目に入った。
揺らぐ視界の中でハセイゼンが銃をこちらに向けているのがわかった。
その銃口からは硝煙が薄く立ち上る。
「エナっ!」
ゼルの緊迫した声に、答えなければ、と思った。
だが、その声に答えを許さぬ、灼熱の痛み。
業火に焼き尽くされていく、そんな熱さを伴って。
「く、ぅぅっ!!」
撃たれた左の太腿を押さえてのた打ち回る。
「てんめェ……!」
ゼルが怒りを顕わに剣を抜こうとしたのを、ハセイゼンの野太い声が制する。
「動くな! 動けばその小娘が死ぬぞ!」
銃口は未だにエナに向けられている。
ゼルが奥歯をぎり、と鳴らした。
……――まだ危機は、脱しない。