冷めてる彼氏✕冷めてる彼女
お隣の……
「遅れましたー…」
確か一限目は穏やかなじじぃだったと思うから怒られなくてすむ。
「遅れないようにね。」
その一言で済まされた。らっきー!
拓人とは席が離れてるから、学校では話さないかな…。
私は席に着いて、取り敢えずこっそり来る途中に買ったお茶を飲んだ。
ダッシュ出来たんだ。喉渇いて当然。
授業は普段全く聞かないタイプだし、それからはぼーっと黒板を眺めた。
だるい授業がやっと終わり、やっと昼飯。いつも弁当だけど今日はないから学食食べよ……。
席を立とうとすると、廊下から甲高い声が聞こえて思わず耳を塞ぎそうになった。
「奏太く〜ん!一緒にたべよ?」
誰だ、奏太って。聞いたこともない。
そんなことを考えていると、私の隣の席の奴が手を振った。
「可愛いな〜!手作り弁当だろ?楽しみ〜」
……。なんなんだこのカップル。
まぁ私もちょっと前までこうだったけど。
おかげで友達なんて出来なかったよ。
過去の自分を殴りたい。
「なんて顔してんだよ。お前学食?」
いつの間に私の机まで来た拓人。
うん、私にはこのくらいの付き合い方が一番だ。
「ん。拓人も?行くか。」
「おー。」