冷めてる彼氏✕冷めてる彼女
『夕食できたからリビング集合。』
集合って…。
きっとこの喋り方とかはお母さんからの遺伝だと思う。いや、絶対そうだ。
私はそのメールに返信することなく、リビングに向かった。
「あ〜腹減ったぁ~!」
私は鳴るお腹をさすりながらリビングに入った。
なんだ、お父さんもう帰ってきたんだ。
「腹減ったじゃなくてお腹すいただろ?仮にも女の子なんだから言葉遣いに気をつけろよ…。」
お父さんはいつもこうだ。
私の女らしくない仕草に文句をつける。
私に彼氏がいることなんて、みんな知らない。
「私がお腹すいたって言ったら逆にキモくない?」
笑いながらみんなに問いかけると里奈が手を叩いて言った。
「確かに~!!!きもっ!!」
お父さんは慌てたように背筋を伸ばした。
「そ、そんなことないぞ!
も、もとは…か、かわいいんだし。」
そんなカミカミで言われても説得力ないし。
お世辞なんていらないから。
「はいはい、ありがとうございますー。」