冷めてる彼氏✕冷めてる彼女


『夕食できたからリビング集合。』


集合って…。

きっとこの喋り方とかはお母さんからの遺伝だと思う。いや、絶対そうだ。


私はそのメールに返信することなく、リビングに向かった。


「あ〜腹減ったぁ~!」


私は鳴るお腹をさすりながらリビングに入った。


なんだ、お父さんもう帰ってきたんだ。




「腹減ったじゃなくてお腹すいただろ?仮にも女の子なんだから言葉遣いに気をつけろよ…。」


お父さんはいつもこうだ。

私の女らしくない仕草に文句をつける。

私に彼氏がいることなんて、みんな知らない。



「私がお腹すいたって言ったら逆にキモくない?」


笑いながらみんなに問いかけると里奈が手を叩いて言った。


「確かに~!!!きもっ!!」


お父さんは慌てたように背筋を伸ばした。


「そ、そんなことないぞ!
も、もとは…か、かわいいんだし。」


そんなカミカミで言われても説得力ないし。


お世辞なんていらないから。


「はいはい、ありがとうございますー。」


< 6 / 59 >

この作品をシェア

pagetop