冷めてる彼氏✕冷めてる彼女


はたから見たら普通の家族。

でも、本当は少し、いや、だいぶ違う。



私はドカッと椅子に座って箸を持った。

「いただきま〜す!」


あれ、いつもよりご飯の量少なくない?

それに野菜ばっかり……。野菜が嫌いってわけじゃないけど、やっぱ肉系が欲しいな…。


腹いっぱいになんないじゃん!!!


私は取り敢えず、目の前のご飯を全て食べた。


「おかわりないの?」


お母さんは炊飯器からお釜を取り出して私に見せた。


「今日はない。」


……うそだろ…!


「デザートとか…お菓子もないの?!」


お母さんは呆れたようにため息をついた。


「そんなものあるわけないでしょ。
ほら、食べ終わったらさっさと片付ける!!!」


え……。

私…餓死しちゃうよ…。


私は冷蔵庫を勢いよく開けた。

入っているのは…


マヨネーズ、ケチャップ、ソース、ワイン、ビール、サイダー、麦茶。


……なんだこの冷蔵庫。


買い物全然行ってないのが丸分かりじゃないかっ!


サイダー飲めば少しは腹にたまるかな。


私は五百ミリリットルのサイダーを開けて、一気に飲み干した。


「ぷはぁ~、少しはたまった!げぇっ」


盛大なゲップが出た。

それもそうか。一気に飲んだんだし!


リビングからは同じく盛大な、ため息が聞こえた。
お父さんかな。

どーせ女子らしくないですよー




さて……勉強…か。

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