不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
第1章
お誘い
「うぅ~!き、き、緊張する!!」
私、鳴瀬咲希は屋上に通じる階段で何度目かの深呼吸をしていた…!
手には二枚の小さな縦長の紙。
私はある決意をしてここへやって来ていた!
それは………、
「き、霧島くん…どんな反応するかな…?いきなり誘ったら戸惑っちゃうかな……!?」
彼を、
でででデートに誘うこと!!!
そう意識し始めたらまた顔に熱が集まってきて、心臓が高鳴ってきてしまう…!
ど、どどどどうしよう!?
や、やっぱり、また今度に……。
ってダメダメ!
それはダメだよ!!
せっかくチケット手に入ったんだもん!
そ、それに、
霧島くんと一緒に行きたい…。
私はもう一度大きく深呼吸をすると、再び階段を上りはじめたのだった。
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