不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
「う、うん!!ありがとう…!」


「ん。なんでも言えよ?俺が全部受けとめるからさ。」


と霧島くんが少し上体を屈めて、私の視線の位置に合わせて温かい言葉をかけてくれる…!




ドキッ!!



わ、笑った!



私の大好きな彼の笑顔。


少し大人っぽくて、艶めいていて、何度見ても見慣れない……。


霧島くんのこの笑顔は、たぶん私以外の女の子でも破壊力抜群だと思う!!



「は……はい………。」


私はずっとは見ていられなくて、少し俯いて返事をするのがやっとだった。



「ん。……じゃあ、手。」


「え? “て” ……?」


「手、繋ぎてぇ。ダメ?」




!!!




「えっ!!いいの!?繋ぎたいっ!!!………で、ござる…。」



わゎっ!



思わず大きな声出しちゃったよっ!!



私も霧島くんに触れたいと思ってたから、
つい嬉しくて声を張り上げちゃったよ!




すると私の反応があまりに予想外だったのか、


霧島くんが目を丸くして2、3秒ほど静止状態になってしまった…!




そして。


「ブハハハッ! “ござる” って!!咲希、時代劇見すぎなんじゃねえのか?…プククッ!」



やっぱり笑われてしまった…。



うっ!!


だ、だって今のはあからさまだったから、ちょっと誤魔化したかったんだもん!!


私が霧島くんと手を繋ぎたがってるのがさ……。


だから、その、誤魔化そうとして語尾が変な言葉になっちゃったっていうか!なんていうか!



そう心の中で言い訳をしている最中も、霧島くんはまだ笑っている…!


先ほどまでの甘い空気は何処へやら……。


霧島くんの笑い声と共にその空気は遥か彼方へ流されて行ってしまった……。





でも。

< 13 / 98 >

この作品をシェア

pagetop