不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
もしかしたら迷惑だったのかもしれない!!
謝らないとっ!
「ご、ごめんね!!夜も遅いのに…!また今度に、」
『咲希……。あんたたち、もしかしてまだなの…?』
ん!?
“まだ” !??
って、いったい何のことなんだろうか???
「ちーちゃん、あの、 “まだ” といいますと……?」
『だから!咲希と霧島王子、まだ “デート” してないの!?』
「え?!デ、デート?!!!」
そっか!
“まだ”ってデートのことだったんだ!
なんのことかと思っちゃった!
………………。
………。
って!!
〝デート” !??
『今の話を聞いてると咲希たち、付き合ってからデートした感じが全くみられないんだけどっ?!!でも、まさかそんなわけないよね!??』
デート……。
その言葉が私の頭の中を駆け巡った。
ちーちゃんに言われてよくよく考えてみると、
もしかしたら私達、
デートというものをしたことがないかもっっ!!??
「デー…ト……。」
『……咲希?』
「…………。」
『咲希?ちょっと大丈夫!?意識ある!!?』
ハッ!!
いけない、いけない!
つい考えこんじゃってたよ!!
「え、えっと……、あの、なんといいますか、お互いバイトで忙しかったといいますか……。
あ!あと、私が家のことで手いっぱいだったのもあって、その、霧島くんには非は無くってね、」
『要するに、デートはしてないのね!??』
「うっ…。…………えっと、そのよう…ですね……。千枝さま。」
すると。
『ホワアァァァイ!!!??』
!!?
ちーちゃんが、壊れた!!
『なぜ!?なぜなの!!?どうしてdateをしないのよ!!?Why!?』
そしてなぜか英語をお使いになられている…!
「ちーちゃん、落ち着いて…、」
『付き合う前は、あんなに燃え上がっていたのにっ!!
図書館でそれこそdateしたり、駅前で激しくあたしらの前で抱き合ってたり、はたまた王子のバイト先では人には言えないほどの猛烈な告白&kissを…』
「ぎゃあぁぁーーーー!!!!それ以上言わないでぇーーー!!!」
『それに保健室じゃ王子の裸を堪能、』
「ぬわああぁぁぁぁ!!!!!声に出さないでってばぁーー!!」
ささやかな相談のはずが、
今宵はなぜか過激な昔話に華が咲いたのだった。