不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
「俺、プール興味ねぇんだゎ。せっかく誘ってくれてんのに悪ぃな。だから他の奴らと楽しんでこいよ。」
え?
“興味がない”?!
衝撃の一言だった!!!!
「ええぇぇぇ!!!!なによ、ソレッ!!?そんなのオレ初めてきいたんスけど!!?」
と准平くんも驚きを隠せないみたいで……、
「なんでよ、理人さん!!?去年とかめっっちゃ海とか行ったりしたジャン!!海もプールも一緒ダッテ!!」
と准平くんの嘆きの声がお構いなしに耳に届いてくる!
………届いてるんだけど、でも今の私にはある意味届いていなかった。
そ、そうだったんだ……。
霧島くん……、
プール興味無いんだ………。
今の霧島くんの言葉はまるで私に直接投げかけられたような、そんな錯覚を私自身起こしてしまい、
それは私にとってかなりのダメージだった……。
なんだか……恥ずかしくなってきちゃった……!!!
アクアランドのチケットを握りしめ、嫌な汗が頬を伝う…!
私は完全に目標を失っていまい、ただ呆然とその場に立ち尽くしていた。
すると。
「…鳴瀬さん?どうしたんだ?こんなところで突っ立ってて。」
「っ!!ヤスさん!」
振り返ると、階段を上ってこっちに歩いてくるヤスさんの姿があった!!
「何かあった?外に理人がいると思うんだけど、もしかしていない?」
そう優しく話しかけてくれるヤスさんは、霧島くんの一番の友人で、とっても頼れるお兄さんみたいな存在!
ちなみにスキンヘッドが彼のトレードマークで、背も霧島くん並みに高い。
この二人が並んで歩くだけで、女の子の黄色い声は飛び交うのだ!!
確かに…目鼻立ちが綺麗だもんな~、ヤスさんって。
霧島くんとはまたタイプが違うけど、すごく落ち着いてるし、外見と中身のギャップといいますか、
恐そうに見えるんだけど、話してみるととてもフレンドリーでけっこう笑い上戸だしな~!
意外だったな!うん。
そんなことをしみじみ考えていると……。
「鳴瀬さん??大丈夫か?」
とヤスさんが怪訝な顔で様子を伺ってきた!
し、しまった!!余計なことを考えこんじゃってたよ!!