不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜

「よっ。おまたせ!今日は随分早いのな?」


「――っ!!?ききき霧島く……!?」



急に目の前に現れた彼の姿に動揺を隠しきれない私!!



まさかこんなに早く来るとは思わなかったから、



こここ心の準備がっっ!!!



それに今日の霧島くん、私服だ…。


あの“図書館デート”以来かも……?



私服姿の彼を見るのはとても久しぶりで、夏の陽ざし以上に眩しく感じる!



あの時は霧島くんのこと、まだそういう感情では見ていなかったから特別意識していなかったけれど、



今こうして改めて見ると、



凄く…格好いいなぁ……。




ふと周りに視線をやると他の女の子たちが霧島くんのことをチラチラと見ていて、中には黄色い声まで聞こえてきた!



「待たせて悪かった、咲希。暑かっただろ?」


「え……?う、ううん!!そんなに暑くなかったよ!?平気っ!!そ、それよりも霧島くん!本当にプール行って…、」


「ん?あぁ!今日バイト大丈夫なのかって?なんか知らねーけど、 “日曜は臨時休業にする” って急にのりおの野郎が言いだしてさ。だから今日は休みだから安心して?」



ちなみに、霧島くんが言う“のりお”さんとは霧島くんの叔父さんで、霧島くんのバイト先【コピ・ルアック】の店長さんでもあるんです!



「そうなんだ!臨時休業なんて珍しいね!………って!!あの、そういう事じゃなくてね!?実はプールのことなんだけど本当に霧島くんはプールに、」


「やべっ!人がかなり多くなってきたな!これ全員アクアランド行きじゃねぇのか?急ぐぞ、咲希!」
と、霧島くんにやや強引に手をひかれる!!


「え?!!ちょっと、霧島くんってば!!」



私は彼にせかされるように駅前を後にして、目的地のアクアランドへと足早に向かったのだった……。


< 31 / 98 >

この作品をシェア

pagetop