不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜

三十分後――


「う~ん。これで大丈夫かな…?」


水着に着替えて髪を結った私。


「この水着、似合ってるかな?でも、ちーちゃんと唯ちゃんが選んでくれたから間違いないよね!」


ちなみに今着ている水着は、先日放課後三人で一緒に買いに行ったときに買った水着!


この時はまだ霧島くんとプールに行くなんて思いもよらなかったので、少しハメを外してしまったのかもしれない。



そんな私が身につけている水着は、3ピースの水着で“パレオ”というビキニ以外のアイテムもあってエスニック系なスタイル。


爽やかなマリンブルーで子供の私には大人すぎる水着!


そして肩にかけてるのはクリアタイプでシャンパンゴールドの花模様があしらってあるビーチトートバッグ。



「う~!!ききき緊張するーーー!!ビキニなんて初めてだから上手に着こなせてるかなっ!!?心配になってきちゃったよ……!」


鏡の前で何度もチェックする私。


でもなかなか更衣室から出て行けず、困っていた。



どうしよう。霧島くん絶対待たせてるよ!



早く行かなくてはいけないのに、もう一歩勇気が出ない。



自分から誘っておいてこの迷いよう……。


情けないよ、とほほ。




~♪




あれ?携帯が鳴ってる?



まさか、霧島くん!?



私がなかなか出てこないから、何かあったのかと心配しているのかも!?



急いで電話に出る!


「も、もしもし!ごめんなさい、もうすぐ支度できるので、」


『もしもし咲希―!?もうプール着いたー!?』



ん!?


この声って、ちーちゃん!!?



「お、おはよう!ちーちゃん!!プールは無事着いて、今更衣室で着替えてるところで…。」


『マジか!ってかさ、もしその格好で外に出るのが抵抗あるんならパレオ……って、いま腰に巻いてるやつね!?パレオをトップスにもってきて巻くのもアリだから!!』


「そうなんだ!ありがとう、ちーちゃん!」



でもその時、私は違和感を感じた。




……………あれ??



「……でも、よく私がいま水着のことで悩んでるって解ったね?」


『え”!!!あ、あはははは!!愛の伝道師と言ったでしょう!?恋愛のことはなんでもわかるんだって!!』


「う、うん?」



なんだか納得いかないな~。

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