不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
「え~!霧島くん行っちゃうのぉ!?つまんなーい!」
「あ!鳴瀬さんだー!理人と付き合ってる噂、本当だったんだー!ねぇ、ねぇ!!鳴瀬さんは理人ともうキスとかしてんの!?」
え!!!
わ、私!?
今度は女子に囲まれてしまった…!
「あ!聞きたい、聞きたい!!霧島くんって普段どんな感じなの?もしかして実はめっちゃ甘えてくるとか?!」
「鳴瀬さんクラス違うから訊きたくても訊けなかったんだよね~。……あ!もしあれならウチのクラスの集まり混ざる??超~歓迎するよ!!」
それに私、7組の女子の皆さんから歓迎されている!!?
これはこれで有難いことだな!うん!
……って、そうじゃない!!
すると霧島くんから助け舟がっ!
「おい!咲希に絡むのはよせって。困ってんだろ?もう行こうぜ咲希。」
「ちょっと理人!!逃げるなんて卑怯だよ!鳴瀬さんとしゃべりたいのに~!!」
「霧島くん、ストップ!!!」
「理人さーん、女子もこう言ってるんだからもうちっと一緒にいようよ~♪」
「あぁーー!!まどろっこしい!!准平、ひっついてくるんじゃねーよ!!!」
ギャア、ギャア!!!
こ、この状況はいったい……。
どうしたものかと悩んでいると。
《オイ、こら!!そこの集団に告ぐ!今すぐ王子と咲希から離れなさーーいッ!!!》
ん!!?
この声って…、
まさか!!!
《我々はアクアランドの一日見回り隊、兼、霧島王子&咲希のデート向上推進事業部である!!
であるからして、速やかに退去しなさーいっ!特にそこの“ピンクメッシュ” !!!アンタが一番邪魔なのよッ!!!!》
!!!
ちーちゃん!!!
声がする方へ視線を向けると、“AQUA LAND”というTシャツに赤いメガホンを片手に持って仁王立ちするちーちゃんがいたっ!!
ちーちゃん、なんでこんなところにいるの!?それに部活は!!?
まさかのサボり!!?
それにピンクメッシュって、もしかして准平くんのこと……だよね!?
そしてその後ろにはちーちゃんと同様、メガホンを持った唯ちゃんまでもが居た!!!