不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
募る想い
も、もしかして、
私には聞かれたくない話だったのかな…?!
だったらちゃんと謝らなきゃっ!
「あ、あのっ!聞き耳を立てていた事はごめんなさい…。でも!私も、その……、霧島くんを…お誘いしたかったので……。」
「――っ!そ、そうか!悪ぃな。……………って!そうじゃなくて別に俺、咲希を責めてるわけじゃないし!!それに咲希が謝る必要なんて何もないから!ただ、あの話を聞いてたんなら咲希に対して俺は、マジで悪いことをしたなと思ってさ!」
と少し慌てて霧島くんが言葉をつけ足した。
「え……?悪いことって??」
そんな思いがけない言葉をかけられた私は小首をかしげる。
「…だってよ、他の奴らからの誘いでも俺がプールを断った理由が“興味ない”って……。その場に居合わせた咲希がもしソレを聞いちまったんなら、かなり傷ついただろうし誘いにくくなったんじゃねぇのかなってさ。」
「え……。」
「俺が一番側にいて咲希を守るって誓ったのに、それと逆のことをしてたなんて最低なことしちまった。だから、咲希は謝んなくたっていいんだよ?」
「っ!」
どうして、
霧島くんには解っちゃうんだろう。
私の気持ち……。
いつもそうだった。
私が言葉にする前に、彼はいつもその先をいってて…。
そして私を待ってくれているんだ!
私が決して悲しい顔をしないように、
温かい心で、温かい微笑みで。
その彼の精一杯の優しさに私は後になって気がつく。