不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
廊下で初めて話しかけてくれた時。
図書室で掃除を手伝ってくれた時。
勉強会の帰り道に優しく抱きしめてくれた時。
別れを告げても私の靴を見つけ出して綺麗に磨いて戻してくれた時。
そして、体を張って私を守ってくれた時。
彼はいつも私のことを考えて行動してくれていた!
今回だってそう。
私は霧島くんに“好き”を貰ってばかりいるんだ……。
そう思ったらとても嬉しくて切なくて、泣きそうになるくらい彼のことが愛おしくてたまらなくなった。
「だから謝るのはこっちのセリフ。傷つけてごめんな?それと誘ってくれてサンキュ!マジでかなり嬉しかった。」
「っ。ううん!!こちらこそ来てくれてありがとう…!私も霧島くんと此処に一緒に来られてとても嬉しいです!」
この愛しくてたまらない気持ちを、どうしたら“形”にして表せるのかな…?
「ん。よかった。」
!!!
ど、どうしよう!?
心臓がドキドキしてきちゃったよ!!
彼の蕩けそうな笑顔を真正面から受けて急に鼓動が早くなってきてしまった!
まだお昼過ぎで一日という時間がまだ半分も残っているのに、デートの前半戦でこんなにもドキドキしている私は果たして最後まで霧島くんと平常心のまま無事に過ごせることができるのだろうか?!
…って!
それは私が霧島くんに見慣れて免疫をつければいいだけの話なんだけれどさ。
あぁ~~~!!でも今日一日でそれを成し遂げるなんて無理に決まってるよーーー!!
男性経験が全く無い恋愛初心者の私にとっては、霧島くんを攻略するのはかなりの難儀であった…。
そんな心の葛藤の真っ最中の時だった。