不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
「ぬぅおおぉぉぉ!!」


「ち、ちーちゃんっ!!大丈夫!?た、立てる?!」


「へ……平気……だわさ…。ぐっ!!」



全然平気そうじゃないよね?!!






と、そこへ……!





「咲希のダチ、また今度は何をやらかしたんだ?」



「え………?」



不意に後ろから聞こえてきた優しく低い声。


そして甘くて爽やかな香り。


無意識に胸が高鳴っていく……。




この感覚は……、



まさか!



「き、霧島くん!?」


と、後ろを振り返ようとする。




が!!




「ひゃっ!!」


後ろから抱きしめられてしまった!!


「あぁ~〜疲れた。体育が外でさ、 炎天下の中でサッカーとかあり得ねぇだろ、普通。」



や、やっぱり霧島くんッ!!!



なぜこの教室にいるの!!?


それに授業は!??


そんな疑問が頭の中を駆け巡ってきたけど、ここは冷静に対処しようと決めた私…。


「あの、えっと、それじゃあ何か飲む…?喉カラカラじゃない!?わ、私お茶なら持ってて、」


「 でも俺、今は “咲希補給” しねぇと動けねんだよな~。動けねぇって辛いよな〜。」


「なっ!!?」


霧島くんが私を背中からすっぽりと覆ってしまい、

身動きがとれなくなってしまった!!



そ、それにしても霧島くんがのしかかってくるせいか、




重い……。



というか、この状況かなり恥ずかしすぎるよおぉぉーー!!




周りを見てみると、


ちーちゃんはこちらを見ながら弁慶の泣き所を手で押さえたまま固まってしまい、


唯ちゃんも顔を真っ赤にして1ミリも動かなくなってしまった!!
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