不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
「咲希~!!こんなところで会えるなんてやっぱり奇跡だわ~♪」
マリコさんは私達が近づいてきたことに気付くとすぐに、2メートルの高さはある監視員の椅子からジャンプして飛び降りてきてくれた。
ん”?!
でも今一瞬“ピシッ”って地面から亀裂のような音が聴こえたけど……、
気のせいだろうか……。
とりあえず今のは聴かなかったことにしておこう。
そう思った。
「そ、そうですね!お久しぶりです…。」
「あら?どうしたのよッ!?元気ないじゃない!??せっかく可愛い水着を着てるのにそれじゃあ台無しよッ!?もっとテンションをアゲアゲでいかないと!!!」
「え!?えっと、あの……。そ、そうしたいのはやまやまなんですが……。」
「まぁ!!咲希の抱っこしているそのタコちゃん、とってもキュートじゃない!!
アタシもプールに入りたいわ~!なのに監視員ってなんなのよ!!せっかくの夏なのにさ、フン!」
あの……マリコさん………。
気付いて頂けてると有難いのですが、
私の後方に、
とてつもなく殺気を漲らせている方がいらっしゃる事を……。
怖くて振り返ることすらできないけれど、確実にお怒りになられてるのは手に取るようにわかった。
するとその殺気は徐々にゆっくりと地を這うように迫ってきた…!
「オイ、変態ジジイ。てめぇはココでなにしてんダヨ……!」
ひいぃぃ!!
仁王像!!!
「あらあら、リッキーじゃない!“なに”って見てのとおりよ!なんか文句あるのかしら?
それにしてもそ~んな顔しちゃってさ!夏の陽ざしといいプールといいアンタには似合わないわねぇ、この眩しすぎる場所には。」
マリコさん!それじゃ火に油だよ!!