不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜

あの時の霧島くんの顔、絶対何か企んでいたよね…?



ああいうときの彼は私をいつもからかう時の彼で、絶対に敵わない。



「で、でも!ご褒美っていうからには、やっぱり霧島くんが喜んでくれないと意味ないよね?う~ん、霧島くんが喜ぶもの……。」



と、無理難題なご褒美をふられた時のために回避することを考えていると…。





「なあ、あそこにいる女の子。一人っぽくね?」


「俺もさっきからそう思ってた!」


「タコの浮き輪持ってる子ダロ?可愛いジャン!」




……ん?



今なんか声が聞こえて…??




突如、視界の端に3人の男性陣が映った。



体格の良い3人の男性はこっちを見ながらニヤニヤして何やら話をしていた。




「思い切って声かけちゃう?」


「俺、けっこうタイプかも!」


「行ってみようぜ。」




そしてじりじりとこっちにやってくる。





大学生…くらいの人達かな…。



こう言ったら失礼かもしれないけれど、凄く嫌な感じがする…。



最近不良の霧島くん達に囲まれていたから、徐々にだけど派手な格好をしている人には慣れてきてはいた。




だけどやっぱりまだ怖いな…。



それにさっき“タコの浮き輪”というフレーズがかすかに聞こえてきたんだけど、




それって、もももしかして……。




そう危機感を感じて身構えていると!!



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