不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
「わ、私、人が待っているので…。」
と、プールから上がってそのまま逃げようとすると。
「それって彼氏?いいじゃん、そんなの無視すればさぁ~~!!」
「俺たちといいことしようよ。な?」
痛ッーー!
急に初対面の人の二の腕を掴んできて、なんなのこの人達……!?
どんどん距離を詰めてくる男たちの威圧的な態度に怯みそうになる私。
「は、放して下さいっ!あなたたちとは遊びませんっ!」
恐怖を必死にこらえてそう言い放ったけど、余計に腕の痛みは増していく…!
「そう言わないでさ~、俺らと…ッ冷てー!!」
「どうした?…って、うわっ!!なんだよコレ!!!」
「氷っ!?誰だよ!?んな悪戯すんのはッ!!?」
掴まれていた腕の痛みが無くなるのと同時に、3人が急に騒ぎ出す。
何?何が起きたの…??
3人の睨む先の人影に私も視線を向ける。
そこで私はやっと頬を緩ませることができた!
「霧島くんっ…!」
彼の手には透明なプラスチック製のカップに入ったかき氷が握られていた。
ま、まさかとは思うけど、
今霧島くん、持っていたかき氷をこの人達に向かって投げつけた…?!
自分の足元に視線を移すと、同じ容器のカップがころころと落ちていた。
そしてその投手は冷ややかな眼で今日一番の最恐のお顔をされてゆらりとこちらへ歩いてくる…!
そんな彼に3人組は食ってかかった。