不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
まさか、他の区からも恐れられているとは…!
ただごとではないよね…。
「まあ、でももう昔の話だし。今は抗争なんていう馬鹿なマネはしないから。それになんていっても俺には咲希がいるし。な?」
「っ!うん…!」
先ほどまで冷たく固まっていた心がほぐれていく。
そしてまた私の心の中は彼の温かさで一杯になるんだ!
いつもそうだよね。
こうして、怖がってる私を安心させるくれるために何度も抱きしめてくれて………。
………ん?
抱きしめる??
どこで…?
プールで。
誰と……?
霧島くんと。
!!!
「ひゃあぁぁ!!!」
「!?どうした、咲希!?やっぱ怪我をしたのか!?」
「ききき霧島くっ!人が!!周りに人がぁーー!!」
「……え。」
「みみみ見られてる!!人に見られてるからっっ!!!」
「…そりゃあ、人はいるだろうな。こんな有名なプールだし。」
と、さらりとなんてことのないように言ってのける霧島くん。
そ、そうじゃなくて!
というか、なんでそんなに平気なの!?
「こんな人前で、抱き合うのはTPOに違反してましてねっ!!?」
「ククッ!なんだよ、それ。そんなに俺と抱き合うのは嫌ですか、咲希殿?つーかTPOって……、ブハッ!」
「ちょっ!わ、笑いごとじゃないんだから!み、みんな遠目から見ているので、その、離して下さいッ!」