不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜

「ブククク!…いいじゃん、別に見せつけてやれば。そうすれば他の奴らも、もう咲希にテを出そうなんていう邪(よこしま)な考えはおこさないだろうし?そうすれば咲希も幸せ。俺も安心。一石二鳥…だろ?」


そう言葉にすると霧島くんは私の体を少し放すと顔を傾げながら私の顔を覗き込んできた!


「――っ!!」



ちょっ!


そんな屁理屈を言いながら艶めいた笑顔をこっちに向けないで~~!!!



「ん?咲希の顔、昼間食ったトマトみたいに真っ赤に熟れてんだけど。また俺の身体がどうとか言うやつか?」


「ちがっ!!こ、これはただ、きき霧島くんが急にっ!か、顔を…!」


「じゃねぇとすると、もしかして今くれんの?」



ぽつりと静かに告げた彼が、さらに熱い吐息と共に私の耳もとで囁く…!




「“ご褒美”。」



へ!?



ご褒美?



……って、忘れてたー!!



数分前に霧島くんにご褒美をねだられたことを私はすっかり頭の中から抜けていた…!!



ど、どうしよう!!


ご褒美の対策を考えようと思っていたのに、さっきの大学生に絡まれていたから全然案が浮かんでないよ!!



すると霧島くんの左手がするりと私の頬を撫でたかと思った次の瞬間…!



「ひゃあっ!!」



私の顎を指で掬い上げて、その綺麗な顔を目一杯近づけてきた!



「ちょっ、ききき霧島くん?!あ、あの、何を……?!!」


「ご褒美、くれねえの?俺、一周ちゃんと泳いできたんだけど。しかも2分で。」


「うっ…。で、でも、その、今じゃないと、駄目…なのかな…?」


「今欲しい。」



即答!!
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