不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜
「……な~んてな。必死になってる咲希もやっぱし可愛いのな。」
「………………へ??」
も、
もしかしなくても、
今のって………、
冗談っ?!!
またキスの寸止めにあったのだと気づくと、恥ずかしさの沸点を超えて羞恥心がとうとう爆発した!!
「なによおぉーーー!!馬鹿ァァーー!!!ほ、本気に捉えちゃったでしょう!!?霧島くんのエッチ!!もう知らないッ!!!」
「ハハハ。だって今日の咲希、俺のこと誘惑ばっかしてくるからさ。だから少し意地悪したくなっただけ。まあ、むくれてる咲希もマジ可愛いけどな?」
――っ!!
そんな殺し文句を言われて私の顔はさらに熱くなっていく…!
な、なによ!!
そんな嬉しくなるようなことを言っても許してあげないんだからっ!!
「も、もう知らないもん!!ご褒美なんてあげないっ!!!」
「わかったって。別にご褒美はいいから、とりあえず機嫌直してくんない?」
「~~っし、知らない!嘘つき霧島くんなんて知らないもん!!」
私は怒った勢いもあってか、霧島くんに対して背を向けるとツーンとそっぽを向いてしまう。
だ、だって、
今の霧島くんの“キスのおねだり”、
本気だと思ってしまったから…。
だから、私なりに一生懸命向き合おうとしていたところだったのに!
それなのに、また冗談だったなんて……。
この時少しがっかりしている自分がいることに、私は初めて気がついた。
すると霧島くんは再び私の正面に立つと、私の顔を包むように両手を私の両頬に添える。
そして彼の方へ顔を上向きにされた!
「―――っ!」
「ほんと悪かった。だから咲希、そんなに怒らないでほしいんだけど、…ダメか?」
「うっ……。」
霧島くんが真剣な、だけど少し憂いを帯びた表情で真っ直ぐに私を見つめてくる。