月の綺麗な夜に
プロローグ
今日は月が綺麗な夜。


こんな日には憎たらしいけど、陽太――、あんたの事を思い出す。


意地が悪いくせに笑顔が可愛いところだとか

冷たい大人ぶってるくせに実は子供っぽいところだとか

好きじゃないとか言いながら抱きしめてくるところだとか

笑ってるくせに目がどこまでも寂しそうなところだとか


他にもいっぱいあるけど、とにかくあんたの事を思い出す。


私の目の前からいなくなって四年もたつというのに、毎日あんたの夢を見る。


苦しそうに笑うあんたの夢を見る。
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