きみが教えてくれた夏
がたん。
がたん、ごとん。
行きとは違って帰りは涼しい。
沈みゆく太陽を眺めながら私は海音の背中に頭を預ける。
「ねぇ、海音…」
「ん、どした?」
なんだろうな。
まだ出会って二日だというのにずっと昔から居るみたいな。
少し長い袖の中からきゅっと腕の力を強める。
「楽しかった。ありがとね」
意地っ張りだと言われる私だが、海音の前ではどうも素直になってしまう。
海音の持つ雰囲気だろうか。
それとも夏のせいでおかしくなったか。
「そうか。これで一つ、未来は夏の楽しさを知ったな。水遊びは楽しいってな」
空気に同化するようにカラカラ笑う。
やっぱりどこか子供らしくて。
まるで自分のことのように。
ほら、また自転車のスピードが上がった。
「明日はどこに行くの?」
どうして明日も行くことになるのだ。
自分でもよく分からない。
だけど口から言葉が溢れてしまう。
「そうだなぁ。どこに行きたい?」
逆に質問された。
どこに行きたい?って。
「海音のお任せで」
私がぶっきらぼうに言うとまた笑って。
「分かった」
一つ、返事をしてくれた。
もうすぐ家に着く。
家に着けば楽しい冒険はおしまい。
だけどまた明日も、明後日もまだまだ夏休みは残っている。
ねぇ、海音。
明日は何処へ連れて行ってくれるの?
がたん、ごとん。
行きとは違って帰りは涼しい。
沈みゆく太陽を眺めながら私は海音の背中に頭を預ける。
「ねぇ、海音…」
「ん、どした?」
なんだろうな。
まだ出会って二日だというのにずっと昔から居るみたいな。
少し長い袖の中からきゅっと腕の力を強める。
「楽しかった。ありがとね」
意地っ張りだと言われる私だが、海音の前ではどうも素直になってしまう。
海音の持つ雰囲気だろうか。
それとも夏のせいでおかしくなったか。
「そうか。これで一つ、未来は夏の楽しさを知ったな。水遊びは楽しいってな」
空気に同化するようにカラカラ笑う。
やっぱりどこか子供らしくて。
まるで自分のことのように。
ほら、また自転車のスピードが上がった。
「明日はどこに行くの?」
どうして明日も行くことになるのだ。
自分でもよく分からない。
だけど口から言葉が溢れてしまう。
「そうだなぁ。どこに行きたい?」
逆に質問された。
どこに行きたい?って。
「海音のお任せで」
私がぶっきらぼうに言うとまた笑って。
「分かった」
一つ、返事をしてくれた。
もうすぐ家に着く。
家に着けば楽しい冒険はおしまい。
だけどまた明日も、明後日もまだまだ夏休みは残っている。
ねぇ、海音。
明日は何処へ連れて行ってくれるの?